第二章

新たな販路を求めて

第四節「お店」の整備と、新商品開発

新たな卸販売先の開拓と同時に、治正は「一般のお客様への直接販売にも、もっと力を入れるべきだ」と考えました。そこで、民家の軒先に商品を並べただけの本店の店頭を、畳を外し靴のまま入れるよう改修。通りがかった人が「何を売っているんだろう?」と思わずのぞきたくなるような、「店舗」としての形態を整えました。

同じ時期、新商品の開発にも取り組み、昭和50年に完成・発売となります。問屋への卸販売を軌道に乗せるには、ある程度まとまった数を納めねばなりません。かつて神宮に納めていたような手のかかる作りでは、とても生産が追いつきません。そこで、従来のものを量産しやすく設計した、新しいタイプの神棚を考案したのです。 せっかく自社のアイデアを盛り込んで開発した新商品だから、限られた問屋だけに売りたいと、治正は考えました。そこで年間製作数を「限定1000」と決めて取引先に声をかけ、「ぜひウチで!」と賛同してくれたある問屋と契約を結ぶことができたのです。

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