第五章

材料へのこだわり

第一節木曽檜とともに 「木曽檜造り」から、
「総木曽檜造り」へ

宮忠の神棚と言えば木曽檜です。
先々代・孫一が国民神殿斎作所を継承した当時から、木曽檜を主な素材とし、一部、地檜(じび:地元産の檜)を使っていました。通信販売向けの量産を行っていた時期には、アメリカ産の檜やヒバも使用していましたが、後にまた木曽檜の割合を増やしていきます。
2013(平成25)年頃には9割近くが木曽檜でしたが、その後、残りの材料をすべて木曽檜に切り替え、「総木曽檜造り」としました。
食品のように法で定められてはいないものの、木曽檜以外の材料が混じった神棚を「木曽檜造り」と呼ぶことは、私たちにはできません。外材を使った安価な神棚が大量に出回る時代だからこそ、宮忠は希少な木曽檜で本物を造ろう――そう決めたのです。そのことが逆に、本物を求めるお客様から支持をいただく結果となっています。
使用するのは、お伊勢さんと同じ樹齢250~300年の木曽檜の天然木。先々代の時代から、木曽・上松の山で切られた丸太を、名古屋や木曽の材木店まで目利きに訪れ、買い付けていました。今では国の政策で伐採量が激減してしまいましたが、私たちはそれ以前に確保した丸太と、製材所からの買い付けにより、総木曽檜造りを実現しています。

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