第二章

新たな販路を求めて

第一節好調から一転、
激動の時代が幕を開ける

この当時、宮忠の神棚は、ほとんどが伊勢神宮に納入され、参拝者に授与されていました。忠治の長男で現社長の川西治正が大学を卒業して家業に加わった1973(昭和48)年は、20年に一度の遷宮が行われた年。伊勢には大勢の参拝者が訪れ、神棚は造れば造っただけ売れていきました。
ところが翌1974(昭和49)年、激動の時代が幕を開けます。遷宮の後、神宮との取引が途絶えてしまったのです。
他の販路と言えば、川西家の軒先で個人客に細々と販売していた程度。ごく普通の民家の軒先に商品棚を置き神棚を並べていただけでした。その量も、ごくわずか。店の存続のためには、新たな販路を開拓する必要がありました。

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