第三章

本物へのこだわり

第三節質にこだわった宮造りへの回帰と、
個人客向け販売の本格化

通信販売による拡販は苦労もありましたが、宮忠が造る神棚が、広く全国に認められるきっかけとなりました。その功績が高く評価され、1981(昭和56)年、先代の忠治が三重県知事より優秀技能者表彰を受けました。また、それまで細々と営んでいた地域産業が、多額の設備投資を行って雇用を増やしたことで、翌1982(昭和57)年には、やはり忠治が、伝統的工芸品産業振興協会及び通商産業省から、伝統的工芸品産業功労者表彰を受けています。

忠治夫妻の人柄を、少し紹介しておきましょう。地元の新聞に、「今日寝て、今日起きて、明日寝る」という見出しで、忠治を取り上げた記事が載ったことがあります。「神棚の屋根の茅を刈りながら、夜中の2時や3時になると、その場でいつのまにか眠ってしまい、朝の6時や7時に目が覚めたらまた働く」という内容。一心に宮造りに打ち込む職人気質の忠治らしいエピソードです。

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