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ここなら自分に合っている。安堵の気持ちと喜びが湧きました。

 

 

小さいころから物作りが好きで将来は建築関係の仕事に就こうと思っていましたが、高校進学の時に建築科の高校に進学をせず、全く違う科目を勉強する高校に進学してしまいました。何気に過ごしていた3年間でしたが就職活動の時に目に留まった会社が宮忠でした。先生にどのような会社か聞いて、ここなら自分に合っていると思い就職したい気持ちがいっぱいになったのです。自分は今、第一製作部でお客様からご要望いただく別注製品をはじめ、規格のお社、木工クラフトや記念品など色々なものを製作させていただいています。

 

 

今となっては恥ずかしいことですが、仕事に就いたばかりの頃は先輩の下について、言われた事だけをこなすだけで余り考えることもなく仕事をしていたように思います。徐々に仕事を任せられるようになり、ある時一つの製品製作を一人で全工程任せられた時は心の中で「まだ無理だ!まだ早いのに」と思いながらも製作にかかりました。初めて一人で一から考え製作し完成させる事が出来た時は形になったという達成感と自分の作ったこの製品がちゃんと出来ているのか不安が交差していました。先輩に見てもらって「上出来!」と言われた時は安堵の気持ちと喜びが湧きました。よく覚えている嬉しかったことの一つですね。

 

 


先輩から学んだ、良い材料の見分け。そして仕事へのこだわり。

 

 

仕事をはじめてつらかったことは先輩の下で仕事をしていて、木出し・木取りの仕事を任されたのですが、木の種類、木の良し悪しなどほとんどわからず出す材木、出す材木「違う、使えない」の連続で取り直し続けたのを覚えています。しかしその時の経験があって今、良い材料や種類の見分け方が出来ているのだと思います。

 

仕事に対しては自分の中にこだわりがあり、人から褒められても、まだもっと上手く出来るはずと常に向上心を持っています。たとえば千木の穴は厚み3cmぐらいの板を裏表まっすぐ四角の穴を抜くのですが、他の人から見たら綺麗に抜けて上手と言われるけど自分の中ではまだまだ理想と違い、まだまだ気にいった穴を開けることが出来ていません。だけどこれはどこまで行っても納得する自分にたどり着かないとも思うのです。納得するとそこで止まってしまう気がするから自分でゴールを決める事はないと思います。そしてもう一つ、今ある形からここを別の造り方に改めた方が良くなる、こうした方が早くきれいに組み上げられるのでは、と今ある良いものをこの先より良い物になるように常に製品を見極める視野を広げた仕事を意識しています。

 

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仕事は眼で見て覚え、感じて覚える。視野を広げる努力と楽しみを。

 

「仕事は直接教えてもらうだけではなく、自分から人の仕事を見て覚えなければいけない」と先輩から言われた言葉が自分の中に今でも強く残っていて、仕事の段取りや加工の仕方、材木の使い方や道具の使い方など教えられるだけじゃなく、見て感じた方が覚えるのも早いと思うし今でもよく人の仕事している姿を見て勉強しています。

自分が先輩から教わった、見て覚えるということをしっかり後輩に伝えたいと思います。自分の仕事以外でも先輩・後輩関係なく何気に他の職人たちはどのように仕事をしているのか。特に自分の部署と違う(私なら彫刻部に興味があります!)職人などの仕事を見て、今は直ぐ役に立たなくても、それがこれから先には必ず何かの役に立つ事があるのだから、自ら吸収する努力を怠らずやっていきたいです。

今の自分より若い社員たちは、まだ教えたことに取り込んでその仕事をこなすのに精一杯と感じているだろうから、常日頃からもっといろんなものに興味をもって自分の視野、幅を広げて仕事に余裕を持つ努力をしてほしい。それが後々の自分の技術向上、発想の好転換となり視野が広がりもっと仕事が楽しくなると思っています。

自分たちはお伊勢さんのお膝元で神棚や神祭具を製作する仕事が出来るという誇りを持って、技術と共に先輩に教わったことを伝え継ぎ、さらなる自身の向上を目指したいと思います。

 

 

是非、伊勢へお越しください。

 

伊勢は神都ともいわれる伊勢神宮のお膝元です。この地で神さまに関する仕事をしているという事に誇りを持ち、伊勢の伝統、お宮造りの技術の継承を伊勢でしていきたいと思います。さらに知識の幅を広げ、技術を向上させてお客様により良い製品をお届けし喜んでもらうことが目標です。

伊勢は海・山・川が揃う自然が多く、食べ物も美味しいものがいっぱいありとても良いところです。何度でも足を運んでほしいですね。

 

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藤原孝行

昭和53年10月30日生まれ
平成9年3月 伊勢宮忠に入社
趣味:自転車
好きな言葉:学んで思わざれば罔し。思うて学ばざれば殆し。
臆病者の目には、全て敵が大軍に見える。