お宮造りは、材料を吟味し、それら一つ一つを加工することからスタートします。

加工の際に欠かせないもののひとつが「刃物」。鉋、鑿、鋸、木工機械、ドリルなど様々な刃物があります。

今回はその中から鉋(かんな)について少し話してみたいと思います。

 

鉋と一言で言ってもその種類は様々で、仕上げ鉋、面取り鉋、特殊鉋など、それぞれの用途に合わせて使い分けています。

また鉋は、鉋台、刃、裏金の三つのパーツで構成されていて、美しく木を削るにはその三つが上手く調整されていなければなりません。

 

 

 

 

その中でも、我々職人が最も気を使うのが鉋刃を砥ぐ作業です。刃を砥石に当てる角度、指先の力加減などが全て刃の切れ味に影響してきますので、集中して落ち着いて砥ぐようにしています。

 

難しい作業なのですが、鋭く砥いだ鉋の刃で木を削ると「シュッ」という心地良い音と共に鉋屑が舞い上がり、木の表面に景色が映り込むほどに美しく仕上ると何とも言えない満足感がこみ上げてきます。